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特集

えごま油に情熱を注いで
桐の里産業/佐藤恭子さん・茂徳さん

昔からえごまを育ててきた町。
農作物や土地とともに町の文化も守りたい。

私は秋田県出身で、東京でお仕事をしていたんですが、夫婦2人で農業をやろうと、主人の出身地である福島県に移住してきました。三島町が、耕作放棄地を活用するために農業法人を設立することになり、農業をやりながら地域にも貢献できるし、願ったり叶ったりなんじゃないかなと思ってこの会社に入社しました。
えごまを作るのは初めてでしたが、三島町にはえごまを作っている方がたくさんいるので、畑で見かけたら声をかけて栽培方法を教えてもらいました。えごま作りの文化を受け継ぎ、守っていくというのも面白いなと思います。

良いえごま油に妥協なし。
栽培から搾油、販売まですべて自分たちでやっています。

収穫の時は、泥が混入しないように細心の注意を払って、きれいな状態でえごまを刈り取ることに力を注いでいます。そのあとの洗浄と選別も重要で、どれだけ丁寧にやるかで油の味にすごく違いが出てきますね。搾油したら2種類の酸化チェックをして瓶詰めをするなど、最後の最後までこだわって作っています。
最初の2年間で作った油は、ほとんどものになりませんでした。納得できるものではなかったので。今はようやく自信をもってお客さまにお届けできるようになりました。うちの油は、油だけパクっと口に入れてもおいしいんですよ。

私は毎朝、納豆にえごま油を入れています。
ツヤツヤして食べやすいんです。

1日小さじ一杯のえごま油って、なにかきっかけがないと続かないので、「もともと毎日食べているものに足すのが良いですよ」ってお客さまにはおすすめしています。ほかの食べ物の味を邪魔しないので、コーヒーでもお味噌汁でもなんでもOK。ただ、加熱すると酸化してしまうので、炒め油や揚げ油には向いていません。温めているみそ汁に入れてぐつぐつするのもダメなので、食べる前にお椀に入れてくださいね。
オメガ3脂肪酸が含まれていて健康にも良いので、毎日の食事にぜひ取り入れていただきたいなと思います。